
結氷した天塩川
冬の北海道の道でしか感じられないものがあった。
行けばわかる。
ただ雪の中を走っているだけなのに。
信じられない高揚感。
雪は俺たちを自然に返してくれる。
地球のダイナミズムの一部に人の生活があることを思い出させてくれる。
ついに最北端へと到達する。
23.2.2017 晴れ→曇り→暴風雪
「なよろサンピラーYH」→R40で北上→「道の駅 おといねっぷ」
→R275でオホーツク海へ→海岸線を北上→「宗谷岬」
「わっかないラーメン」→R40で南下→「天塩川」→「道の駅 てしお」
オロロンラインを南下→「道の駅 おびら鰊番屋」→「留萌」→「ホテル神居岩」
この日だけで実に走行距離400km弱。雪道の走行距離とは思えないペース。
かなり恵まれた日だった。というより何かに追われていたのだ。
ロードコンディションは以下の通り
R40からR275は所々圧雪に覆われているものの走りやすく
オホーツク海側は乾燥路面
帰りのR40、オロロンラインも乾燥路面多く圧雪路はごく一部。
さて何に追われていたかというと、23日からは低気圧接近に伴う荒天予報!
この時期の北海道の天気は周期的。ここ数日の晴天を考えればそろそろだ。
道内を走行中の別のライダーからは
すでに嵐にあっているというような情報も得ていた。
さらに追い打ちをかけるような警告が
宿を予定していた稚内市内のライダースハウスの主人から
「引き返すように」との連絡だった。
迷う時間はない。もたつく時間もない。
ユースホステルのオーナー情報では
音威子府から先R40「名寄国道」で抜けるのは危険かもとの話
渓谷の谷間を縫うような峠道で残雪、凍結が多い。
それに多くの車はR40で稚内市内に向かうらしいのでR275が今回の正攻法だ。
6:00準備を開始し、日の出とともに出発。
バイパスは路面によっては後続車もパスできず悲惨な目にあうので
下道で音威子府まで抜ける。
2回ほどユースホステルのオーナーに追い越されたd( ̄  ̄)
その度に熱い応援を受ける。

「道の駅 おといねっぷ」
と言えば駅の立ち食いそば。
黒いそばが有名。朝から何も食わずに走ったので楽しみにしていたんだけど
早く着きすぎた。しかもですよ、まさかの定休日。
道の駅でも食えず、駅の名物も食えず。
腹は減ったが...あまり悠長なこともしていられない。
いろいろな意味で修行だな。
ここからは圧雪路面メインとなる。
スパイクを装着し先を急ぐことにした。

知らぬ間に氷柱や氷がどんどん成長してる。

結氷した天塩川。いつか川とか湖を極悪スパイクで走り回りたい!
次回はロシアに渡るかな。サハリンを北上してみたい。
オホーツク海に出ると、ここからは乾燥路面が続く。
北海道でも道東側は積雪が少ないらしい。
ただし峠が多いので降雪もあるし除雪の頻度も違う。
沿岸に関しては走行しやすい道が続く。
そしてついに



12:15日本の最北端へと到達した。
雪は少ない。
でも恐ろしいほどの凍結っぷり。
これも宗谷岬の暴風と寒気がなせる技か。
これで一般人の立ち入りができる最南端波照間、最北端宗谷に立ったことになる。
自然と嬉しくなった。
だがだ
だがしかしだ
実のところ達成感というよりこの時は既に帰り道を心配していた。
低気圧の接近による荒天は急速だ。
モタモタしていると致命的なホワイトアウトに巻き込まれる可能性もある。
意外だったのは観光客、失礼だがこんな時期のこんな場所にもいるのだ。
だが移動手段は皆もちろん車かバスだが。
この日はなぜか北海道的に休みの日らしい。
木曜日、周辺の定食屋もラーメン屋も土産屋もあいてなかった。
まぁ関東郊外の観光地も金土日以外はしまってることが多いから当然か。
静かな最北端到着となった。

遥か先にはサハリンを望む。
でも思った以上に近いぞ。
来年はあそこだ。
続いて定番の最北端の給油所に。
本当に最北端だ、この記念碑のすぐ横にたっている。
そしてここのスタッフは俺を見ても何も驚かなかった。
慣れてるのかな。
少なくとも先週ここに10台余のバイク乗りがきてるはずだしな。
(道内を雪中ツーリングしている変態は俺含む2台ではない。
たくさんいたのだ。
そのまま1人残って流氷を目指している人がいると聞いていた。
どこかで落ち合えたらと連絡を取っていたが今回の北海道では叶わなかった。)
記念のお守りと証明書をもらい近くで飯が食えそうなところを確認。

稚内市内とのことなのでそのままオロロンラインを目指し南下することにした。
せっかくなら稚内市内に1日くらいは留まるつもりでいたし
どこか大雪原を走れるようなルートを探索したい気持ちもあった。
だが予報を考えるとそれは危険らしい。次回か、次回また来るのか?正気か?
いや、でもとにかく今回じゃないな。
わっかないラーメンでやっとまともな飯。
デカイ(笑
いわゆる観光地的なアレかとも思ったが
それでも想像の範囲の斜め上。

ホッキ貝、雲丹、蟹なんでもありの全部入り
ほんと北海道の食には助けられた。
元気を取り戻し今日の宿泊地を探す。
手塩にも宿がありそうだがもう少し南下したい。
羽幌、苫前のあたりにはライダー名鑑なるものをやっている
ライダースハウスがあったが冬季閉鎖とのこと。
次々断られ、がっかりしていたところ
留萌に宿を見つけた。
しかも温泉付き。
北海道に入って今年は初温泉だ♪
当日セールで安く部屋も見つけられた。
だが留萌。ギリギリか、いや間に合うのか?
不安はあったものの気づいたら走り出していた。
適宜休憩を取りながらも快走。
残り15kmのところで降雪が始まる。
もう少し耐えてくれ。
セイコーマート小平店にて夕食調達。
出るとすでに吹雪始めていた。人参ON。
慎重に走り始める。
残り11km。峠のように曲がりくねる道。
雪が強まると視界はぐっと狭くなる。
前が見えない。
ゴーグルにはりつく雪を必死で掻き落とす。
道路を白い蛇のようなパウダースノーがウネる、悪魔の手招き。
トラックに抜かれるたびに肝を冷やすが直後に世界が白く輝く。
舞い上がった粉雪で視界が全くなくなるのだ。
あと少し。
国道を逸れる。
山道をケツを振りながら、わずかなトルクを探し
その引っ掛かりを頼りに登る。
どこかで進めなくなるか?進むのか?
一進一退の斜度と積雪
続きようやく、ホテルに着いた。
最後まで楽しませてくれるじゃないかよ。


緊張から解放。
北海道限定、サッポロクラシック。
からの風呂上がりの

カツゲン♪
最後はやばいと思いながらも
エキサイティングなライドだった^ ^
密着取材、そして多大なるアドバイスをいただいた
カメラマンの方と別れ
温泉を満喫♪
明日出られるのか不安を抱きながらも早く寝たのでした〜
おわり
一応ちょっと感想。
最北端に立った実感...
うーん、あんまりなかったなぁσ^_^;
むしろ白銀の道がどこまでも続く光景にうっとりしました。
ゴールって着いちゃえばつまらないのかもしれませんね。
今の一瞬一瞬に感動が転がってるのではないかと
教えられたということで。
ほんとのおしまい
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