2016年12月23日金曜日

雪原を目指して#2 雪上タイヤの苦悩

以前北海道に行ったときは深い知識もなく
また準備の時間もなかったため
即席のスパイクタイヤを自作して雪道に挑んだ
一番苦労したパーツはと聞かれたら
皆さんのご想像通り
真っ先に答えるのはタイヤだろう
普通の人は雪道をバイクで走ろうとは思わない
いや自転車でさえ躊躇するだろう
歩いたって滑る氷や雪の上を
300kg近い倒れる乗り物がどうやって走れようと



それに加えて始めてみてわかったことがある
ハーレーにはハーレーなりの悩みがあるのだ
純正のホイールサイズではオフロードのタイヤチョイスがない
そして重すぎる
実は雪を元気にバイクで走っている人は日本にもかなりいる
知られていないだけなのだ
身近なところなら郵政カブだって走ってる
だがそれはカブのような一部の車両か
オフロードバイクに限った話なのだ
オフロードバイクで今一番多いホイールサイズは
フロント21 リア18
ハーレー純正は
フロント19 リア16
タイヤに求める許容重量も違うし幅も違う
オフロードマシンなら軽くてタイヤのチョイスも多い
、、、言うことはない
マディ向けやゲロ系タイヤ
雪でも刺さりそうなタイヤが山ほどある
リア16で重量級、トルクモリモリマシンに合致した
オフ向きなタイヤは(ほぼ)存在しない

荒縄を巻くというアイデアもあるらしい
近所で雪が降った時に試したが
縄が短く細いため効果がなかった
ブロックの溝にすぐにはまってしまうという難点もあった

つまり雪を走る工夫はいろいろとされてきた
ノウハウを持っている人も探せばいる
だがどれもこれもオフーロードバイクをベースとした技術で
ハーレーではそもそもそのベースとなるタイヤさえ手に入らないのだ
それに重量も違う
150kgそこそこと300kgでは世界が違いすぎる
深雪の中で、薄氷の中でどうなるか
走った本人くらいしか知らない
(雪を走ったハーレーがあるという話はたまに言い伝えかのように聞くことがある)

そんな状況の中使用したのはこれ

タイヤはダートマンという名前からいかにも土を走れそうなやつ!
ALLSTATE DIRTMAN 5.00 16
だがエンデューロ、モトクロスをイメージしているとちょいと話が違う
ブロックは低いし、間も詰まってる

こいつは実は
昔のタイヤを今の技術で復刻し
オールドルックなハーレーを再現する
そんなコンセプトのもとに作られているタイヤなのだそうだ
確かに街乗りでも十分使える
この見た目を新品タイヤで手に入れられるわけだ
当然ひび割れもない
ルックスと安心感を両立...
コンセプトが違う
俺の求めてるコンセプトとぜんぜん違う
いいものなんだけど
そうじゃない

だが時間の関係上ダートマンにかけてみることにした
結果見事走りきってくれ
またその信頼性を見事発揮してくれたわけだが
どうしても雪を噛まない
今シーズンはもう少しダートよりなパターンのタイヤを探している

方法はいくつか考えている
1、ATVのタイヤを移植する方法
2、AW-1のタイヤを使う方法
3、もう一度ダートマンでいく方法
4、DURO HF-904という台湾タイヤでいく方法

まずそれぞれのメリットデメリットをざっくりと
1、ATVのタイヤを移植する方法
まずホイールにハマるかという問題がある
そして4輪で走るATVタイヤは道路との接点がたいらだ
もともとオフ走行以外眼中にないが
硬い路面でどう出るか気になる
おそらく傾かないのだろう
まぁ雪で傾けることはほぼあるまい

そこがクリアできればチョイスの幅は相当広がるはずだ
ただリムとの相性は未知なので
ビードストッパーは必須
いや2つ入れてもいい
タイヤ外れは全力で防ぎたいところだ

2、AW-1のタイヤを使う方法
実はないないと言っているこのサイズ
正確には「ない」わけではないのだ
HONDAからAW-1というオフロードマシンが出ており
その純正タイヤはリア16インチなのだ
しかしこのマシン
250ccなのである
そのパワー差
重量差を考えると
全くその耐久性は想像できない
しかしぜひ試してみたい方法でもある
ただしこのタイヤ
マシンの最終製造時期から考えて
いつまでも作られるとは考え難い

3、もう一度ダートマンでいく方法
一度やっているだけあってまだ若干だが託せるものを感じる
ただしブロック間の狭さや、ブロック高の低さは
何かでカバーしたい
例えばチェーンを組み合わせるなどか
2度目、かつストックが近くにあるので
より強力なスパイクを打ち
サイプを刻んでスタッドレス的効果を狙えばあるいは
というのも考えられるだろうか

4、DURO HF-904という台湾タイヤでいく方法
基本的にダートマンと変わらない立ち位置
タイヤの性能がさらに未知数という悩みだけだ

結局答えが出ない
やってみるしかない
だって誰もやってないんだから

こちらでそれほど雪にお目にかかれる日があるわけでもない
ぶっつけ本番は嫌だがそれしかないというのも現状だ

前回はこのやってみるしかない&ぶっつけ本番で
スパイク打ちをやった
その時のを動画に収めてある

よくやったな〜
全く知らないのに
仕事も絡んでたしプレッシャー半端じゃなくて
これさえもマカロニピンに見えてたりしてたっけなぁ
病気だ(笑

こいつがスパイクガン
初めに掘った下穴を
このガンの先っぽが無理やり広げて
ピンをねじ込むのだ
エアで動作するのでコンプレッサー必須

俺がハーレーを買った秋田のお店の人が送ってくれた
みんな他人事だと思って(笑
なんて
たいしてよく知らない相手に
メカニックが自分の工具を貸す気持ちを
俺は勝手にとんでもないことなんだと思って
感動していたなぁ

そんでこの新品のタイヤに穴開けたわけだが
前後5万円近い出費
泣きそうだった(笑

リムの内側は保護したが
タイヤ内側も必要だったかもしれない
ピン貫通時のために。。。

アイスレース用のこんなのも用意したが使わず
次回これに火入れして使うのもいいかも?

完成品

リアはいわゆるフルピン
ピンの飛び出し具合からしていかに質が悪かったかがうかがえる

フロントもこんなもん

フロントの方がしっかり埋まった

つまり下穴が不均一な上
ガンの扱いも不慣れ
奥まで入ったり入らなかったり
とにかく苦労して
タイムリミットに急かされ
ついにはとりあえずあればいいという状態にしたのだ

こいつ
転がせば
ピンが抜けるという始末

数キロ馴染ませようと走ると

馴染むどころか斜めに。。。

そしてピン自体も小さかった
ハーレーの車重、パワーに負けたのか
あっという間になくなった

よく北海道に行けたもんだ

しかしなぜ純正のホイールにこだわるのか
実は
こだわっているわけでもない
ホイールを組みスイングアームやアクスルシャフト
前後ショックをワンオフする金がないだけだ

だがこんな気持ちもある
ノビータイヤ(ブロックタイヤ)を履いたまま
スポーツスターでウロウロする
そうすると
路上でもイベントでも
結構見られるのだ
こんなボロボロでよく見ないとハーレってわからない状態(ごめんなさい)
なのにだ
やっぱりこのスタイルはファンが多い
タイヤのチョイスやパーツが少ないだけだ
だったらいつか同じ仲間が増えて
ハーレーのオフロードスタイルなカスタムが賑わうくらい
引っ張って行こうじゃないか(言いすぎた)
という意図があってかないのか
とりあえず金はないので
今日も16インチホイールの活用法に苦悩するのだ

(実はチェーンを巻くとさらにかっこいい気がしてる
なんとも禍々しくて
なんともワイルドなのだ)

願わくば試走に付き合っていただける方を探したい
そしてタイヤを金型から一緒に起こしたいという金持ちも探している

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

多分AW-1じゃなくてAX-1でしょう!?
昔、紺色の初期型に乗ってましたが120/90/16だったと思うけどキャストホイールにチューブレスタイヤなので多分流用は無理かと。まあ、リムと合えば無理やりチューブ化するという荒業が。
見た目もダートマンの方がオフよりですね!AX-1はタイヤもサスもモタードでした。

HIDEO MORI(Flying Dentist)

おにじまくん さんのコメント...

返信遅くなってすいません。AX-1でした!間違えました(>_<)
詳細情報ありがとうございます!参考にさせてもらって、リアは今回はダートマンで行くかもしれません。
やっぱり使っていた方の話聞かないともう点ありますね。。。助かりました。
一応ロンスイ化が間に合えばXRのホイールを入れます!
あと前輪はIRCのエンデューロ用のリアタイヤを入れることにしました〜

Hideo Mori さんのコメント...

スイングアーム伸ばすとサスの沈み込み大きくなるので要注意!ハードスプリング欲しくなるかも...

おにじまくん さんのコメント...

ただでさえ85kgの体重で動きすぎる感じあるんで
課題ですね。。。
エクステンション差し込む形だと
さらにレバー比も出てくるし
よく考えるといろいろな問題出て来そうですね。。。
まぁまず一度やってみて確認ですね!